チャイナが今般のキレ芸をやっている主な理由(中川コージ)



日本史ランキング
クリックお願いします!別ウィンドウが開きます

★以下は救国シンクタンクのメルマガから引用しました。
「会員の皆様は、公式サイトの会員ページにて、過去のメルマガ配信履歴をいつでもお読み頂けます。
このメールは救国シンクタンク会員様にお送りしております。」
【会員ページ】 https://kyuukoku.com/account/
 お問い合わせ先:info@kyuukoku.com

日本の「台湾有事」や「ひとつの中国」問題に対する公式解釈は、過去から一貫したものであり、確かに高市総理の発言プレイミスは若干あったものの、北京中央が騙るような軍国主義の復活などというのは劣悪な対日プロパガンダに過ぎません。

その前提の上で、今回は北京中央視点での解釈を私見としてご紹介しておきます。僕は以下の3つを、チャイナが今般のキレ芸をやっている主な理由としてあげています。

1つ目は、内政問題、「紅い亡霊」論です。

北京中央は、国共内戦に勝利し、そのイデオロギーが人民によって選択されたことをもってプロレタリア独裁の正統性を主張してきました。大陸から逃れた中国国民党が政権を担当している台湾なわけですから、北京中央としては、台湾問題(両岸問題)を適正に最終処理(平和的解決であろうと、軍事的なオプションであろうと)されなければ、中国共産党が執政している正統性を失います。
また同時に、中国共産党は当時の日帝に対して勝利した、だから政権の座にあるということも喧伝しています。中共は普通選挙を経ないで政権にある正統性として、(当時は国民党とともに)日帝の介入を退け、また(すでに正統な立場を失った国民党処理問題と同義である)両岸問題を解決するということがDNAとして刻まれているわけですし、これが揺るがされるわけにはいかないのです。

だから、「かの日帝・日本が台湾問題に言及」した瞬間に、そもそも中共全体としてキレざるを得ない、ということがあります。これは習近平総書記であろうと誰であろうと、北京中央の指導部がどう考えるかというよりも先に、中国共産党全体として瞬間的にキレなければならないわけです。これが紅い亡霊です。

2つ目は、外交問題、対米帝交渉の堅調な推移によるものです。

前回のメルマガでもふれましたが、2049年までに米国を凌駕する国力を得るために北京中央は腐心してきました。第二次トランプ政権になって、チャイナ側への高い関税などでアタックを強めてきましたが、それを跳ね返すチャイナ側のカードになったのがレアアースの上流から下流までのコントロールでした。これをもって、トランプ政権側は対中交渉で優位にたつことができませんでした。北京中央としては、対米交渉での強い自信をつけた、世界覇権に向けて一歩進めたということができます。そして、対米交渉で優位であれば、対日外交は対米外交の副次的要素に過ぎないという前提で動いている北京中央としては、日本に対していかようにも強気に出られるという戦略の幅を持つことになりました。

3つ目は、北京中央の高市総理個人への胆力チェックです。

APEC時に韓国で日中首脳会談を「日本側からの申し入れ」で開催し、「高市総理は国内支持者向けに対中強硬アピール」を発信し、「高市総理は自身のツィッターで笑顔の写真をあげることで、習近平チャネルがあることをアピール」し、「実際の会談の中身はスッカラカン」で、「北京中央の発信した両国首脳の顔芸写真はニュートラルから若干ネガティブ(北京中央側としては高市総理の選出記念に若干の花を持たせてやった感)」で、「高市総理は、北京側と面会した直後に台北側と接触したことをアピール」する、という一連のムーブがありました。

さらに、自民党総裁への就任直後は、北京中央とのチャネルをもつ公明党が(おそらくは麻生高市カラーの強い自民党執行部となったがゆえに)連立離脱していました。さらに、高市氏の周辺には北京中央とのチャネルを持ち、高市総裁に忠誠を誓うかまたは高市総裁が敵対的であってもコントロールできる重鎮政治家を、少なくともいまのところは高市総理が統率できているようにはみえません。北京中央側には統率力が低い人物として認識されてしまっている可能性があります。

総合的にみれば北京中央の高市氏への評価は、習近平が嫌いな空気を激しく出していたカナダトルドー前首相まではいかずとも(インド・モディ首相もトルドーが嫌だったようですが)、自らのタカ派支持者に阿った、かなりのエーカッコシーであるだけで、水面下の外交チャネル構築が苦手で、総合的に統率力が低く、胆力低し。とみられているという発信が強くあります。第二次安倍内閣発足時の安倍総理が北京中央とのチャネルを保ちながら、対中強硬発信も念入りにおこない、北京中央側と自身の支持者の両方をうまくマネージしていたものとは全く異なる状況です。

北京中央は、もう少し高市総理を揺さぶって、信頼に足る政治家であるのか、反応関数を蓄積していきたい胆力チェックをやっています。

こうした3つの要素が重なって、北京中央からの高市バッシングが始まったものですから、両岸問題や存立危機事態云々といったものはきっかけに過ぎず、しばらくは対高市総理個人への激しいアタックが続くことでしょう。他にも色々と広範に影響される話や、どうすれば解決に向かうのかなどの論点があるわけですが、本日のメルマガはこんなところで。

救国シンクタンク客員研究員
中川 コージ

  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

コメント

コメントする

目次