暗殺には「社会的な意義がある」といわれるわけ



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安倍晋三暗殺犯山上被告の伯父が以下の証言をした、と報道されている。

「量刑は、犯行までに生じたことをもとに判断されるが、ここまでの影響力がある事件については、その社会的意義が反映されるべき。事件を通して、何百人、何千人もの統一教会の信者が助かった。教団の解散などもすべて事件のおかげ」3年前に安倍元総理が殺害された事件をきっかけに世界平和統一家庭連合、旧統一教会の何千人もの信者たちが救われたとして“量刑については社会的意義が反映されるべき”と話しました。

件の事件の後すぐに、政府は統一教会の検証を始めた。被害にあった信者の救済措置を進め、とうとう統一教会を解散させることになった(解散はまだ実行はされていないが)。

当初から政府の動きを厳しく批判したが、危惧したことが現実になりつつあるようなので、改めて書いておきたい。

伯父の意見はもっともなのである。

何しろ政府が真っ先に犯人の希望をかなえようと積極的に動いたのだから。まだ裁判も終わっていないうちからである。つまり日本政府がテロに社会的意義を付与したのである。これはテロを肯定したという意味を持つ。

世の不満分子は「首相(みたいに影響力の大きなやつ)を殺せば自分の願いはかなえられる」と考えるようになるはずである。今後日本には(社会的意義のある問題で)暗殺者が増えるのではないふだろうか。

日本政府はいわば「テロのすすめ」を実行してしまったのである。

暗殺を減らすには、暗殺予備軍に対して「暗殺は何の役にも立たない」という冷厳な事実を突きつけるのがよい。

今回の場合は「山上の首相暗殺事件のせいで統一教会はますます栄えてしまった!」とするのが正しいのである。

少なくとも、いま信者たちを救ってはいけなかったのである。

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この記事を書いた人

昭和24年、埼玉県生まれ。昭和59年、大宮市の小学校教員に採用される。大宮教育サークルを設立し、『授業づくりネットワーク』創刊に参画。冷戦崩壊後、義務教育の教育内容に強い疑問を抱き、平成7年自由主義史観研究会(藤岡信勝代表)の創立に参画。以後、20余年間小中学校の教員として、「日本が好きになる歴史授業」を実践研究してきた。
現在は授業づくり JAPAN さいたま代表として、ブログや SNS で運動を進め、各地で、またオンラインで「日本が好きになる!歴史授業講座」を開催している。
著書に『新装版 学校で学びたい歴史』(青林堂)『授業づくりJAPANの日本が好きになる!歴史全授業』(私家版) 他、共著に「教科書が教えない歴史」(産経新聞社) 他がある。

【ブログ】
齋藤武夫の日本が好きになる!歴史全授業
https://www.saitotakeo.com/

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