このブログではもうおなじみの小山和志先生が、今年も学年の全クラスで「日本が好きになる!歴史全授業」を追試実践しています。夏までのレポートが届きましたので紹介します。(facebookの投稿をお許しを得て転載します)
たいへん価値ある資料ですのでたくさんの皆様に読んでいただけたら嬉しいです。
小山先生は例年の連続授業講座などに熱心に参加してくれて、すでに何回も追試実践・研究を重ねてきています。
実践の成果を出すことと、それを多くの先生方に広めていくことが、「日本の教育を改善する」と確信されています。
そのために、今年の小山先生は二つの目標を立てて今年の実践に臨んでいらっしゃいます。
このレポートを見ると、その目標もすでに半ば達成していることがわかります。
今回は一人の児童の感想文がどう発展していくかが見える資料が添えられていて、これも新しい価値ある取り組みだと思う。スカイメニューというアプリが使われているようですが、全国の追試実践者の先生方にも、小山先生の取り組みを取り入れていただけるとありがたいなと思いました。
行政や社会科教育界が「日本が好きになる!歴史授業」を黙殺している現状では、こういう草の根の先生方の実践の成果を多くの先生方や保護者の皆さんに知っていただくしかありません。そのためにも、子供たちの文章を資料として残すことが大変重要です。それこそが「歴史授業は何をできるのか」を目に見えるようにするからです。
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「日本が好きになる」
このキーワードのもと追試実践をしている歴史授業。
今年度は校内研究授業として全職員に参観してもらう。
何度か追試をしてきて、この授業は日本全国どこの子どもであっても素晴らしい成果が出ることはもうわかっている。
あとは、授業をする側への働きかけである。
今年の自分なりの目標は
①児童の書いた文章をしっかりと資料として残すこと。
②この歴史授業を職員に広めること。
の2点。
①については、今までノートに書かせていたので児童が卒業してしまうと手元に残らなかった(過去、数名は「このノートは宝物だから絶対に捨てない」と言って卒業した子もいた)が、スカイメニューの発表ノートでスライド形式で政策選択と振り返りを書いていくようにした。
スライドを読めばどの授業なのか、実践者ならわかるので、整理するのにそれほど手間はかからない。
PDFにして印刷することも、データで保存することもできる。
そして、一人の児童の一年間の変容もわかりやすくなった。写真は同一児童のもの。
歴史的事象そのものを暗記するのではなく、自分で考え意見を書いていることがわかる。そして、政策選択場面では他者の意見を尊重しつつ、自分の意見を述べる力もついてきていることもわかる。
「主体的」で「対話的」な学びができているからこそ、一学期の振り返り(7月11日)でこのような感想が書ける。
範囲は平安時代まで。この時点でしっかりとバトンを受け取っている。
二学期からのさらなる成長が楽しみで仕方ない。
②について、勤務校では一人一授業の研究授業がある。そのうち、校内で一人が全職員参観の授業をするというオーソドックスなスタイル。
6年生の担任だと人事発表があったあとすぐに、研究主任に今年度の全校授業は自分がやると伝えた。2月の実践発表からのいい流れ。
歴史授業を始めたころから自分のクラスや隣のクラスから楽しい楽しいという声が聞こえてくるようになり、他教科の専科の先生から職員室で尋ねられるまでになった(児童が音楽の先生に、次の時間社会やから嬉しい、といった話をしているので)。
家に帰ってからもその日の授業内容を親に事細かに報告している子も多数。学期末の個別懇談会で歴史の授業がおもしろいと、7名の保護者から言われた。
隣のクラス(こちらの社会も私が授業をしている)の保護者からも同様の声があり、その担任は驚いていた。懇談にて特定の教科がおもしろくて、家庭内で話題になっていると言われることなど、今までなかったと。
これらは今までの実践と同じ結果なので、そらそうなるよね、という成果である。
これらの評判はすでに職員室に広がっている。
あとは二学期の授業や研修で伝えられることは伝えていきたい。
三年目の若手は、空き時間に授業を観せてくださいと言って観に来た。
子どもの反応が物語っているこの実践。
研究授業の日がこれまた楽しみである。
来年度はもっと広めるチャンスがある。
着々と結果を出し、準備していきたい。
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